メダカの針子の育成方法|生存率を上げて早く大きく成長させるには

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4月、5月頃になると、多くの人が初めてメダカの繁殖に挑戦したり、卵を購入してメダカの飼育を始めます。特に、針子の最初の2週間は生存の鍵となる重要な時期です。

針子が誕生した場合、管理方法によって成長の差が生じます。針子の主な死因は餓死とされており、粉餌を与えてもなかなか食べてくれないことがあります。このため、グリーンウォーターでの飼育やゾウリムシの給餌が推奨されます。特に、グリーンウォーターでの飼育は餓死を防ぎ、生存率を大幅に上げる効果があります。

一方、小さい針子を屋外で飼育することに不安を感じる方もいるでしょう。室内でも飼育は可能ですが、グリーンウォーターの維持が難しくなることがあります。

針子の飼育は、繁殖シーズンを重ねることで慣れてくるものですが、過保護にしすぎると逆効果になることもあります。正しい知識を得るために、メダカ屋さんやメダカ愛好家からのアドバイスが重要です。

本記事では、自身の飼育経験や学んだ知識をもとに、針子の飼育方法を詳しく解説していきます。

目次

針子について

卵を親に食卵されないようにし、積算水温250℃と言われていますので、水温25℃くらいであれば10日前後で孵化し、針子が誕生します。

メダカの針子はとても小さく、針のように細いので針子と呼ばれています。

この針子は産まれて2〜3日ほどはヨークサックと言われる袋の中に栄養があるので、餓死することはないと言われていますが、針子にも個体差があり、ヨークサックの大きさも違うので、できれば産まれてすぐに餌を食べれるように、植物性プランクトンや微生物が多くいる水槽を用意し、移してあげることが大事です。

水中に微生物が湧いていない新水やメチレン液管理の場合、針子の餌である微生物や植物性プランクトンがいないのでヨークサックの栄養が無くなる前に移動してあげる必要があります。

卵に関する採卵や管理についての記事はこちらから見れます。

水槽の準備

水槽に関しては卵の段階の管理法によって変わってきます。

基本は間口の広く開いた大きい容器が好ましく、容器が大きれば針子〜成魚まだ育てることができるので、最初から大きい容器で孵化させたほうがいいです。

親抜きの方法だと、種親の飼育の段階で大きい容器で飼育します。産卵床ごと移動するのであれば大きい容器に移しやすいと思います。

メチレン液などで管理する場合、大きい容器でもいいのですが、自分はメチレン液が勿体ないと思っているので、小さなタッパーなどで卵をメチレン液管理をし、産まれた針子をプラスチック製のスプーンで水ごと掬い別の容器に移動させています。

移動させる先はなるべく大きい容器がいいのですが、大きすぎると針子の確認が困難になるので、10〜20リットルくらいの容器がいいと思います。

メダカを大きくするには1匹辺りの数量は多いほうがいいので、匹数によりますが後々移動させることになるかもしれません。

メダカは1匹で必要な水量は1リットルと言われていますので、できれば針子であっても1匹1〜2リットルは確保したいところです。

ですが自分は飼育スペースが狭いので、最初はセリアのスタッキングボックスで針子管理し、とび子と言われる、同じ時期に産まれたのに一際大きい針子をNVBOX13に移動させて、なるべく過密飼育にならないようにしていますが、どうしても過密飼育気味になってしまいます…。

メダカの針子は産まれて2週間が勝負です。この2週間のうちになるべくストレスを与えないように、容器の変更は少なく済ませたほうがいいです。

水槽の水に関しては塩素の抜けた水を用意し、種親や他の成魚の水槽がグリーンウォーターである場合は、その水を種水として入れて、PSB少し入れて水槽を立ち上げておくのもポイントです。

水槽の準備

1. 水槽の選び方

  • 容量は10〜20リットル程度が適する。
  • 広すぎると針子の確認が難しくなる。
  • 狭すぎると成長が抑制される。
  • 針子1匹あたり1〜2リットルが理想。

2. 種親や成魚の水を利用する

  • 種親や成魚の水槽がグリーンウォーターなら、その水を針子の水槽に少し入れる。
  • グリーンウォーターには針子に必要な栄養や微生物が含まれている。

3. 塩素の除去

  • 水道水には塩素が含まれており、針子に有害。
  • 塩素は針子の餌となる微生物やバクテリアにも悪影響。

塩素除去の方法

  • 水槽に水を入れて24〜48時間放置する。
  • 市販の水質調整剤を使用する。
  • 浄水器を通した水を使用する。

早く大きく成長させるには水温と光は重要です

メダカのもっとも活性が上がる水温は26℃〜28℃と言われていますが、産卵が始まる条件である水温は自然界のメダカでも水温が大体20℃を超えている必要があり、暑すぎると産卵も止まってしまうことがあります。

メダカの親が水温20℃前後で産卵を始めるということは、その水温が産まれてくる針子にとっても適温なのではと思います。

室内であればヒーター、扇風機などを使い調整はしやすいですが、屋外ではなかなか水温をキープするのは難しいと思います。

自分は屋外では、暑くなりそうな時はすだれを掛けて風通しの良い場所で飼育するようにし、雨などで気温が低く寒い時は、軒下に避難させたり、日当たりのいいところに容器を移動したりしています。どうしても屋外では対処法が限られてきます。

メダカは太陽の子と言われるほど日光が大好きな魚です。それは針子にとっても同じで骨の成長に必要なビタミンなどが生成されて成長が良くなり早く大きくすることができます。

室内でLEDライトで管理もできますが、LEDライトと日光では成長スピードが全然違います。室内であっても日光の入る窓際に水槽を置くのがいいと思います。

ただし注意しないといけないのは屋外でも室内でも水温の上がりすぎです。

40℃を超えると個体差によりますが暑さで茹で上がってしまいます…。水温計は必ず設置し、日中の水温を確認しながら最適な場所に水槽を移動させたり、すだれなどで遮光し、最適な水温に近づけるのが大切です。

水温と光量

1. 水温管理

  • メダカに最適な水温は26度前後。
  • 水温計を使用して水温をできる限り管理する。

2. 光の管理

  • 光はメダカの生活リズムや骨格の生成に影響を与える。
  • 屋外で飼育する場合:自然光を利用する。
  • 室内で飼育する場合:日光が入る窓辺に水槽を置くか、人工の光源を利用する。
  • 光周期は12時間程度に設定する。

生存率を上げて早く大きく成長させるには餌と給餌に注意が必要

針子の死因

メダカの針子が最も多く死亡する原因は餓死です。針子は生まれてから2日間はヨークサックに栄養を蓄えていますが、その後は自力で餌を摂取する必要があります。ヨークサックの栄養が尽きた時に適切な餌がなければ、針子は餓死してしまいます。したがって、餌が豊富な水槽で育てることが重要です。

餌の豊富な水槽での育成

餌が豊富な水槽で針子を育てることが、飼育初心者にとって最も重要なポイントです。私自身も、朝起きるとまず針子の生存確認を行うのが日課でした。

針子の飼育には、グリーンウォーターでの管理が最適です。グリーンウォーターとは、植物性プランクトンが豊富に含まれた緑色の水で、針子が呼吸をするだけで栄養を摂取することができます。極端な話、グリーンウォーターだけでも針子は成長します。

ただ、早く成長させたい場合は、グリーンウォーター+αをして、もっと餌を豊富にする必要があります。

プラスで与えたい餌は以下になります。

PSB

PSBは光合成細菌と言われ、針子の水槽に添加することで、光合成細菌を餌とする微生物が増え、その微生物を針子が食べるので餌が豊富な水にすることができます。

PSBは特に生まれたての時に、グリーンウォーターと組み合わせることで、餓死しづらく、針子という弱い期間を安全に育てることができるアイテムなので、メダカ飼育には必須級です。

またPSBは培養することで、無限に使えるようになるので、培養方法は知っておくべきだと思います。

培養方法については、以下の記事で詳しく解説しています。

PSBの培養はエビオス錠を使えば簡単|1番大事なことは培養条件の整った場所

PSBを購入する際は、培養されたPSBや、培養スタートセットなどの増やせるPSBを選ぶと良いでしょう。


オオミジンコ

オオミジンコも+αの餌として最適で、粉餌の食べ残しを食べ、針子の餌としても利用できます。

生まれたてのオオミジンコは、とても小さく、少し成長した針子であれば、捕食することができる大きさです。

ただしオオミジンコが増えすぎると、グリーンウォーターがクリアウォーターになってしまい、針子の餌がなくなる可能性があります。増えすぎたオオミジンコは間引きして成魚のメダカに与えます。

この間引きを怠ると、オオミジンコだらけとなり、針子がどこにいったかわからなくなり、気づいたら数が減っていた…という事態が起こることもあります。

生まれたばかりの針子は、小さいオオミジンコも食べられないので、オオミジンコを投入するタイミングが大事です。

オオミジンコを水槽に入れるタイミングは、針子が生まれてから1〜2週間ほど経過した時が適しています。

オオミジンコを入れる量は、そんなに多くなくて大丈夫です。大人のオオミジンコは食べられることもないので、10匹もいれば子供のオオミジンコが後にいっぱい増えてきます。

オオミジンコ

ゾウリムシ

ゾウリムシは肉眼でギリギリ見えるくらいの微生物で、針子の餓死防止に非常に優れた餌です。ゾウリムシは培養して増やすことができ、コスパも良いです。ただし、過剰に与えるとアンモニアが多く発生し、水を汚す原因となるため、適量を守ることが重要です。

ゾウリムシを与える理由は、粉餌やオオミジンコが食べれない針子にも栄養を与えるためです。

粉餌やオオミジンコを食べれない針子もゾウリムシを食べることで早く大きく成長します。

ゾウリムシ

粉餌

人工飼料である粉餌は、針子が成長するための栄養バランスを考えてメーカーが作っているので、粉餌を食べてくれさえすれば早く成長させることができるのですが、針子は意外と食べてくれません…針子から少し成長しないと、粉餌があることさえ気がついていないと思います。

メダカの針子飼育が初めての場合、PSBやゾウリムシなどを知らない方も多く、ホームセンターなどで売られている粉餌を購入し、与える量もわからずに多く与えてしまったり、食べてくれずに餓死してしまうことが多いような気がします。

粉餌は、針子を抜け始める2週間後くらいに、1日に2〜3回極少量を与えるようにします。

与える量は指に付く程度の極少量で十分です。過剰な餌の与え方は、水質の悪化を招くため注意が必要です。

水質管理と定期的な水替えは必要か?

針子を早く大きくしようと餌を多く与えてしまう方もいると思います。餌を与えすぎるとどうしても栄養過多となり、水質が悪化していきます。

針子の水換えは基本的はしないほうがいいです。水換えをすると急な水質変化となり、針子が弱ってしまう可能性があります。

なので粉餌は、針子が少し育って、餌を追いかけるようになってから与えるのが一番いいと思います。ですが粉餌を食べるようになっても、どうしても食べ残しが出てしまうと思います。

食べ残しは取り除いたほうがいいと言われていて、実際に取り除いたほうがいいのは事実です。

ですが、粉餌を取り除くは大変な作業です。

そこでタンクメイトの出番です。

メダカの針子と相性のいいタンクメイト
  • レッドラムズホーン
  • ミナミヌマエビ

これらのタンクメイトは針子の食べ残しを食べてくれる、お掃除屋さんとして機能してくれるので、一緒に飼うことがおすすめですよ。

レッドラムズホーンに食べ残しを食べてもらう

自分もついつい多く与えてしまったり、ドバっと粉餌が出てしまうこともあるのですが、過剰な餌やりは水質悪化の原因となります。

レッドラムズホーンが食べきれなかった餌は腐敗してしまうことになりますが、レッドラムズホーンはよく食べるので、経験上食べ残しはゼロに近いと思います。

自分はコケ取りよりも食べ残しを食べてもらって、水質の急変を防ぐ意味合いで一緒に飼育しています。

レッドラムズホーンがいない場合、底に溜まった食べ残しや汚泥はスポイトなどで取り除かないといけません。

ですが、レッドラムズホーンを入れている場合、針子の糞もレッドラムズホーンが食べてくれています。

そしてレッドラムズホーンの糞はバクテリアの住処にもなるので、汚泥を取る回数は減らせることができます。

レッドラムズホーンの管理

レッドラムズホーンは、餌の食べ残しを処理し、水質を保つのに非常に役立つことを解説しましたが、デメリットもあります。

それは繁殖力が強いため、管理には注意が必要です。

2匹以上で飼育すると爆発的に増殖することがあります。卵を見つけたらすぐに取り除くか、水槽に1匹だけ飼育するようにします。これは、稚貝の時に1匹にするか、お腹に卵を持っていない場合に限ります。

レッドラムズホーンの詳しい解説記事もあります。

レッドラムズホーン

ミナミヌマエビも食べ残しを食べてくれるタンクメイト

ミナミヌマエビと言えばコケ取りとしてのイメージがありますが、コケ取り能力ではヤマトヌマエビに大きく劣ります。

メダカ飼育でのミナミヌマエビは、主に餌の食べ残しを食べてくれるお掃除屋さんとして、自分は飼育しています。

ミナミヌマエビは一度ハマると異常に卵を産んで、いつの間にかエビだらけ!ということもあるのですが、エビはそこまで水を汚さないですし、針子を襲うこともありません。

針子は基本、上層を泳いでいますが、ミナミヌマエビは下層にいることが多いです。

針子が食べれなかった水面に浮いている餌を、レッドラムズホーンが水中浮遊して食べて、その時に落ちていった餌を、下層のミナミヌマエビが食べてくれます。

針子の水替え

水換えに関しては針子の状態ではあまりしないほうがいいと思います。

針子の段階では、よほど過剰に粉餌を与え、食べ残しが多くないかぎり、そこまで水質は悪化しません。

理想は足し水をしながらの管理がいいと思います。

水換えは水流が多く発生することもあるので針子へのストレスがかかります。個人的には水換えをしなくて済むように水をなるべく汚さない飼育がベストです。

それでも水が悪くなり、水換えをする時は最低でも2週間経過した後の水の状態を確認してから全換水ではなく、半分の水を残して水換えを行います。

針子の水換え方法ですが、セリアやキャンドゥに売られている針子隔離用ネットを使い、そのネット内の水を吸い上げます。

隔離ネットであれば、針子がネット内に入ることはないので、安全に水換えすることができます。新しい水を入れる際は、カルキ抜きをして水温も合わせておきます。この動画の場合は、自作の浄水器を通しているので、カルキは抜けています。

別の容器を用意して、水槽を立ち上げておいてから針子の移動もできますが、針子を移動する際は網などは使わずにスプーンで掬って移動したほうがいいですが、針子にストレスがかかることもあるのであまりオススメとは言えないと思います。

針子飼育がうまくいかないという方の水槽を見せてもらうことがあるのですが、見た目だけの判断になりますが、水がキレイすぎるということがあります。

人の見た目の判断ではグリーンウォーターは汚く見えるからと過保護に掃除をしてしまう人がいます。グリーンウォーターにも、クリアウォーターにも良い水質と、悪い水質があり、針子の場合は過保護にキレイにするよりもグリーンウォーターで放置するくらいの気持ちのほうがうまくいくことが多いです。グリーンウォーターであればPSBを毎日少し入れるだけで針子は少しづつ成長していくと思います。

針子の餌となる微生物のいるクリアウォーターであればいいのですが、微生物がいないクリアウォーターでは難易度は上がってしまいます。

グリーンウォーターであれば植物プランクトンがいる状態と言えるので安心はできると思います。

クリアウォーターだから水質がいいと言うことはなく、針子にとっていい水にしてあげることが大事だと思います。

水替えの注意点

11. 餌の食べ残し

  • 餌の食べ残しは腐敗し、水質が悪化するので注意が必要。

12. 針子の水換え

  • 極力水換えをせずに足し水だけで済ませる:水質管理を徹底して、針子へのダメージを防ぐ。
  • 水換えする場合
    • 全換水は避け、半分程度の水換えにとどめる。
    • 針子にダメージやストレスがかからない方法で行う。

まとめ

ポイントのまとめ

13. 卵の管理

  • 卵を種親や他の成魚メダカから隔離して孵化率を上げる。
  • 卵を別の大きい容器に移す際は、事前に水槽を立ち上げておく。

14. 針子の飼育

  • グリーンウォーターでの飼育:餓死防止に最適。クリアウォーターでは難易度が上がる。
  • PSB、ミジンコ、ゾウリムシの三神器:これらを使うと針子の飼育難易度が下がる。
  • 針子用粉餌
    • 極少量を与える。
    • 食べ残しが多いため、与える量に注意。
    • 食べ残しは腐敗して水質悪化の原因になるので、レッドラムズホーンに処理してもらう。

15. 水換えの注意点

  • 足し水だけで済ませる:針子にストレスを与えないようにするため。
  • 水換えが必要な場合
    • 針子が生まれてから2週間経った時点で水の状態を判断。
    • 針子を吸い上げないように隔離ネットを使用し、隔離ネット内で水換えを行う。

飼育環境によっては違う場合もありますが、これらのポイントを守りながら、メダカの針子の飼育を楽しんでください。

長々と飼育ポイントを書いてきましたが、もっとも簡単な方法はグリーンウォーターでの飼育で2週間放置するだけでも成長していきます。早く大きくしたい場合は、色々と手間をかけてあげることだと思います。

針子の飼育は最初は難しいと感じますが、初心者でも手軽に始められる観賞魚としてメダカは人気もあります。針子をしっかり育ててメダ活を楽しみましょう!針子飼育成功を祈っています!

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