メダカの採卵、孵化までにはどんな方法がある?5種類の方法のメリット・デメリット

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春になると、屋外飼育のメダカは日照時間、水温、栄養の3つの産卵条件が整い、産卵を始めます。メダカの産卵、採卵、そして孵化させることは初心者にとっても大きなイベントです。しかし、「お腹に卵がついているけれどどうすればいいの?」「産卵床に卵を見つけたけれど採卵方法がわからない」という疑問や悩みがあるかもしれません。

メダカの採卵を行う理由は、孵化したばかりの稚魚を親メダカが餌と間違えて食べてしまうことを防ぐためです。卵の段階ではあまり食べられていないように見えますが、親メダカが卵を食べようとすることもあります。産まれたての稚魚は特に危険で、親メダカに食べられてしまうことが多いです。

この記事では、様々な採卵から孵化までの方法と、それぞれのメリット・デメリットについて解説します。

目次

メダカの産卵と卵の管理

メダカは水温が20℃以上で日照時間が13時間以上になると、栄養を十分に蓄えた個体が産卵を始めます。朝にはまだお腹に卵を抱えている状態で、夕方に水草や産卵床に卵を産みつけます。

産卵床に卵がついたまま放置しても孵化することはありますが、親メダカに卵を食べられたり、無精卵がカビて有精卵に影響を与えたりすることが多いため、適切な採卵と管理が必要です。

無精卵は白く濁り、指で簡単に潰れます。有精卵は黄色っぽく透明な琥珀色をしており、指で摘んでも潰れにくいですが、力を入れすぎると潰れてしまうので注意が必要です。

採卵から孵化までの方法5種類とそのメリット・デメリット

親メダカに食べられないように孵化させるにはどのような方法があるのか?

メダカの飼育環境は人それぞれなので、色々なやり方が存在します。自分にあった採卵、卵管理を実施していくのが大切です。

代表的な方法の種類やメリット・デメリット含め解説していきます。

産卵床をそのまま別の容器に移す

産卵床についた卵はそのままで、産卵床だけを取り出し、別の容器で管理する方法。

恐らく1番行われている方法ではないかと思います。メダカ屋さんでもこの方法で繁殖されていることが多いと思います。

親と切り離しているので自然な形とまでは言えないと思いますが、自然に近い方法で孵化した稚魚は、生き抜く力が強いのではないかと思います。

体感では7〜8割は孵化しているように思います。

卵を隔離するネットなどもオススメです。

産卵床を隔離ネットに入れることで食卵を防止でき、親のいる水槽で隔離できるので、容器の圧迫も防ぐことができますが、隔離ネットのまま針子の育成は難しいので、後々別の容器に針子を移す必要があるので、あくまで緊急用として使うのがいいかもしれません。

メリット

  • 非常に簡単:産卵床をそのまま移すだけなので手間がかからない。
  • 初心者に最適:特別な技術や知識がなくてもできるため、初めての人にもおすすめ。
  • 孵化率が比較的高い:自然に近い形で孵化するため、稚魚の生存率が高い。
  • 水質が安定:産卵床にはバクテリアや微生物が存在するため、水質が自然に安定しやすい。

デメリット

  • 無精卵がカビるリスク:無精卵がカビてしまうと、有精卵にもカビが移る可能性がある。
  • 卵の塊の問題:卵が塊で産み付けられると、カビのリスクが高まる。

産卵床はそのままで親メダカを移す(親抜き)

産卵床を移すのではなく、親だけを抜く、親抜きと言う方法。

産卵床だけ取り出すのと似ていて、やっていることはほぼ同じです。

種親が産卵をした環境は孵化した稚魚にもいい環境と言えるので、稚魚にも優しい方法だと思います。

メリット

  • 簡単に実行可能:産卵床を移すのと同じくらい簡単。
  • 稚魚に適した環境:親メダカがいた環境が稚魚にも適しているため、孵化後の稚魚の生存率が高い。
  • 餌が豊富:親がいた水槽には微生物が多く、孵化後の稚魚がすぐに餌を得やすい。

デメリット

  • 飼育スペースの問題:別の大きな容器が必要で、飼育スペースを取る。
  • 種親の管理が必要:種親を抜くための容器が大きく、飼育スペースが狭い場合には向かない。

室内メチレンブルー管理

産卵床から手で卵を採卵し無精卵、有精卵をこの時点である程度分けて、別容器でメチレンブルーを使用し、管理する方法です。

孵化率はいいのですが、手間が非常にかかるので、多くの品種を飼育されている方には不向きだと思います。

品種ごとに管理する場合、小さいタッパーとはいえ場所をとるので卵管理スペースを確保する必要があります。

メリット

  • 孵化率が非常に高い:カビ防止に効果があり、孵化率が大幅に向上する。
  • カビの発生を抑制:メチレンブルーの殺菌作用で卵がカビるのを防ぐ。

デメリット

  • 手間がかかる:卵の管理に手間がかかり、頻繁な水換えが必要。
  • 管理スペースの確保:卵ごとに小さな容器が必要なため、管理スペースを取る。
  • 孵化後の移動が必要:孵化した稚魚を別の容器に移す手間がある。

室内水道水管理

メチレン液を使わずに室内で管理する方法です。

水換えは毎日したほうがよく、カルキは抜かず水道水をそのまま使用して水換えを行います。

水道水にはカルキがあるので、メダカの卵管理では殺菌された水のほうがカビが生えづらくなるのでいいのですが、カルキは一日経つとほぼ抜けてしまうので毎日の水換えが重要です。

メダカが孵化した際、水道水ではカルキがあるので、その容器にはバクテリアや微生物はほぼいないので、そのまま放置では餓死する恐れがあります。ヨークサックがあるとはいえ、早めに移してあげるほうが生存率は上がると思います。

孵化した際に稚魚がカルキにさらされるのはどうなの?と心配になりますが、実体験では意外と平気です。趣味の範囲でのメダカ飼育なので、絶対大丈夫ですとは言えません。

孵化までは積算水温250℃なので、孵化する日をある程度予測しグリーンウォーターや親の飼育水の水温を合わせておくのが重要です。

メリット

  • 低コスト:メチレンブルーを使用しないため、コストが低い。
  • 適切な管理で高い孵化率:毎日の水換えで卵を清潔に保つことができる。

デメリット

  • 毎日の水換えが必要:毎日の水換えが必要で、忘れがちな人には向かない。
  • 稚魚の環境が不安定:孵化後の稚魚にとっては栄養が不足しがちなので、早めに移す必要がある。

屋外水道水卵ばら撒き管理

屋外メダカの産卵床から卵を取り、水道水を入れた別の容器に入れてそのまま屋外で管理する方法です。

こちらは産卵床から卵を取り外し、付着糸を取り、無精卵を除外できるのでいいのですが、卵容器をそのまま屋外に置いておくと、ゴミが入ったりコケが生えてきたりして、卵を目で観察するのが困難になる場合もあり、有精卵だった卵も死んでしまって無精卵になった場合、ゴミが多く入ると見分けがつかなくなり、有精卵にカビが移る可能性があります。

毎日水換えをし、ゴミを取り除くことで孵化率も上がります。

この方法でメチレンブルーを使う方法もあります。メチレン液は光に当たると色が薄くなり、効果がなくなってきてしまいますが、薄くなったら一滴垂らせば特に問題はありません。

メリット

  • 簡単にできる:産卵床から卵を取り、無精卵を除去するだけで管理ができる。
  • 低コスト:特別な薬剤を使用しないため、コストが低い。

デメリット

  • 管理が難しい:屋外ではゴミや砂埃が入りやすく、卵の管理が難しい。
  • コケが生えやすい:容器にコケが生えやすく、卵の観察が困難になる。

まとめ

方法メリットデメリット
産卵床をそのまま別の容器に移す非常に簡単、初心者に最適、孵化率が高い、水質が安定無精卵がカビるリスク、卵の塊の問題
産卵床はそのままで親メダカを移す(親抜き)簡単に実行可能、稚魚に適した環境、餌が豊富飼育スペースの問題、種親の管理が必要
室内メチレンブルー管理孵化率が非常に高い、カビの発生を抑制手間がかかる、管理スペースの確保、孵化後の移動が必要
室内水道水管理低コスト、適切な管理で高い孵化率毎日の水換えが必要、稚魚の環境が不安定
屋外水道水卵ばら撒き管理簡単にできる、低コスト管理が難しい、コケが生えやすい

メダカの採卵や孵化方法はさまざまで、それぞれにメリットとデメリットがあります。初心者の方は、まずは簡単な方法から試してみると良いでしょう。どの方法も、適切に管理すればメダカの繁殖を成功させることができます。自分に合った方法を見つけ、メダカ飼育を楽しんでください。

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