アクアポニックスは、魚の養殖と植物の水耕栽培を組み合わせた持続可能な農業システムとして注目されています。
しかし、初期費用が高くて敷居が高いと感じる方も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、100円均一ショップで手軽に揃えられる材料を使って、低コストでアクアポニックスを始める方法をご紹介します。
自宅で新鮮な野菜と魚を育てる楽しみを、一緒に体験してみませんか?簡単なステップで始められるアクアポニックスの魅力を、この記事でお伝えできれば幸いです。
アクアポニックスとは?
アクアポニックスは、魚の養殖(アクアカルチャー)と植物の水耕栽培(ハイドロポニックス)を組み合わせた持続可能な農業システムです。
魚が排泄する栄養豊富な廃水を植物の栄養源として利用し、植物がその栄養を吸収して水を浄化することで、魚に戻す循環システムが形成されます。
この方法により、魚と植物の両方を効率的に育てることができます。
アクアポニックスについて詳しく知りたい方は関連記事を見てみてください。
100円均一で始めるメリット
100円均一ショップは、アクアポニックスの初心者にとって非常に有用です。以下の理由から、低コストで気軽に始められるのが魅力です。
- 低コスト: 初期投資を抑えられるため、手軽に始められます。
- 手軽に入手可能: 多くの店舗で手軽に必要な材料を購入できます。
- 創造力を刺激: 限られた材料を使って工夫することで、創造力が養われます。
必要な材料と準備
エアーポンプ以外はすべて100円均一で揃えることができると思います。
同じ100円均一で揃えたいところですが、売っている物と売っていないものがあるので、セリアとダイソーそれぞれで揃える必要があります。
材料
- ハンギングプランター(セリア)
- エアストーン(セリア)
- 鉢底ネット(セリア)
- S字フック(セリア)
- プラスチック製の箸
- 植えたい植物の種(ダイソー)
- エアチューブ(ダイソー)
- ウールマット(ダイソー)
- 結束バンド(ダイソー)
- ハイドロボール(ダイソー)
- エアーポンプ
ハンギングプランター(セリア)
セリアのハンギングプランターを使用しました。
ダイソーにも売られていますが、底の部分の底面給水がいいと思い、使用しています。
本当はもっと小さいサイズが良かったのですが、売られていませんでした。
エアストーン(セリア)
エアストーンはお好みの物でも大丈夫です。
セリアのエアストーンはしっかりした作りなのでお気に入りで、よく使用しています。
鉢底ネット(セリア)
鉢底ネットもホームセンターなどで売られている物でも何でも大丈夫です。
塩ビ管オーバーフローのメダカ流れ防止でも使えます。
S字フック(セリア)
取り付ける容器に合わせて選んでください。
ステンレス製の方がいいと思います。
プラスチック製の箸(セリア)
容器と、ハンギングプランターの間にメダカが挟まれないようにするために使います。
水の中にずっと浸かっていることになるので、木製や竹製では腐ってしまう可能性があるので、水の中に浸かっても大丈夫な素材がいいです。
植えたい植物の種(ダイソー)
種と言えば私はダイソーです。
ホームセンターだと品質や種類は多いですが、どうしても育てたい植物がなければダイソーがいいです。
エアチューブ(ダイソー)
ダイソーのエアーチューブはシリコン製なので、固くなりづらいので、よく使います。
ウールマット(ダイソー)
物理ろ過と、メダカやラムズホーンが入って来ないように、底に敷きます。
結束バンド(ダイソー)
エアストーンを固定する時に使用します。
ハイドロボール(ダイソー)
セリアにもハイドロボールは売られていますが、ネットに入っているのはいいのですが、粒がかなり大粒なので、用途が限られます。
小粒が1番使い勝手がいいと思います。
エアーポンプ
エアーポンプは室内であったり、容器の数によっては小型エアーポンプでいいと思いますが、屋外で使用するならソーラー式エアーポンプか、写真の浄化槽ブロワーのエアーポンプがいいと思います。
屋外メダカの容器が多い場合は、安永エアーポンプがおすすめです。
「安永エアーポンプ」について詳しく知りたい方は以下の記事を参考にしてみてください。
使用した道具
ハサミ
エアーチューブや、結束バンドを切る時に使用します。
ドリルキリ 3.5mm
S字フックを取り付けるための穴を開けるのに使用します。
S字フックが付けられれば何でもいいので、半田ゴテやキリで開けてもいいと思います。
3.5mmでも取り付けはできますが、私はS字フックが取り付けやすいように、10mmで穴を拡張しています。
拡張するとハイドロボールが出てきてしまうので、拡張は自己判断となります。
インパクトドライバー
ドリルで穴を開けるために必要。
プラスチックに穴を開けるので、手で無理やり開けるパワープレイもできますが、怪我をする可能性もありますし、メダカ飼育を愛好家のように本格的にやるにはインパクトドライバーは必須アイテムです。
ニッパー
プラスチック製の箸をカットする際に使用します。
仕事上、ニッパーをよく使うのですが、ニッパーは良い物を使ったほうがいいです。
特に先端が切れないと不便です。
ですが、カインズに売られている安めのニッパーは、値段が高い物と変わりないくらい切れ味がいいので、コスパ良いですよ。
100円均一アイテムを使った簡単アクアポニックス作成方法
今回使用したのは「セリア ハンギングプランター」です。
横から見るとこんな感じで、水槽にピタッとつけることができます。
もうちょっと小さいサイズが良かったですが、売られていないので、しょうがないです。
中はこんな感じで、底面給水できるようになっています。
鉢底部品を外すと、穴が開いています。
まずは、本体についていた鉢底部品を細工していきます。
鉢底部分の加工
エアストーンを写真のように取り付けます。
セリアのエアーストーンがぴったりハマります。
まずは、結束バンドを写真のように取り付ける。
さらにその結束バンドと鉢底部品を通して取り付けします。
エアーチューブがエアーストーンから抜けないように、写真の位置で縛ります。
更に、他の結束バンドも締めていきます。
結束バンドの余った部分をカットして、鉢底部品の細工は終わりです。
本体の鉢底部品を取った後に開いていた穴を、セリアの鉢底ネットをカットして塞ぎます。
鉢底ネットで塞いだ上から、ウールマットを敷き詰めます。
鉢底部品を取り付けます。
S字フックを取り付ける穴加工
S字フックを取り付ける穴を開けます。
これは容器によって高さを調整します。
元に開いている穴で良ければこの作業は不要です。
ハイドロボールが湿る程度に合わせて穴あけ位置を決めてください。
S字フックが差し込みやすいように、穴を拡張しましたが、ハイドロボールが流れてしまうので、穴は大きくしないほうがいい場合もあると思います。
写真の位置に穴あけをしましたが、お使いの容器に合わせて穴を開けてみてください。
S字フックは取り付けしやすくなりましたが、ハイドロボールが流れてしまうので、ウールマットで塞ぎました。
S字フックを取り付けて完成です。
この後は、ハイドロボールを入れます。
私はハイドロボールのみですが、ゼオライトなどを入れても大丈夫です。
苔防止や根腐れ防止効果があります。
メダカの挟まれ事故防止の加工
メダカ挟まれ事故対策をしないと、容器とハンギングプランターの隙間にメダカが入って、出れなくなってしまうので注意してください。
写真の赤丸の場所に、3.5mmのドリルキリで穴を開けます。
プラスチック製の箸を差し込みます。
ハンギングプランターの平らの方から、箸の細い方を差し込んでください。
逆から差し込むと取り付けた際に箸が抜けてしまう可能性があります。
差し込むと写真のような感じになると思います。
箸の太い方は、3.5mmの穴だと小さいのですが、グリグリと押し込むと意外と入ります。
固くてなかなか入らない場合は、ドリルで、穴を大きくしたほうがいいかもしれません。
2本の箸を差し込みます。
箸の太い側の方は、2cmくらいでカットしました。
ここもご自身の使っている容器に合わせてカットしてみてください。
ニッパーを使ってカットします。
反対側は面位置でカットします。
カットすると写真のような感じになります。
これでメダカ挟まれ事故対策は終わりです。
ハイドロボールを入れたら種を蒔きます
植物は、水耕栽培可能な植物を植えてください。
根菜類や、支柱が必要な背が高くなる植物は向かないと思います。
例:じゃがいも、トマトなど
おすすめな野菜は、ミックスレタス、大葉、小ねぎです。
種を蒔いたら後は芽が出るのを待つだけです。
種を蒔いて次の日には芽が出てきました。
1週間後のハンギングアクアポニックスの様子
すくすくと育ち、そろそろ間引きをしないといけないぐらいまで育ちました!
ここの容器は、メダカが見えないくらいの濃いグリーンウォーターだったのですが、メダカが見えるまでクリアウォーターになってきています。
ハイドロボールは、赤玉土と同じ多孔質なのでバクテリアが多く吸着してくれるので、水がキレイになっていきます。
この簡単アクアポニックスは水の循環はするのか調べてみた
アクアポニックスは栽培槽と、飼育槽の水の循環が大事なので、しっかりと循環しているのか調べる必要があります。
そこで、メチレンブルーを使い調べてみることにしました。
水だけの容器に取り付けます。
メチレンブルーを入れて、循環すればプランターの中が青くなるはずです。
5分後はまだ薄っすら青い程度。
10分後にはもうプランター内の水は青くなっています。
これは外の水が中に入ってきていて、プランターの中の水位は上がっていないので、プランターの中の水も外にでているので、循環していると思います。
まとめ
アクアポニックスの利点と楽しみ方
利点:
- 持続可能性: アクアポニックスは、魚と植物の共生により、持続可能な農業システムを実現します。水の再利用が可能で、効率的な栽培ができます。
- 省スペース: 小さなスペースでもアクアポニックスを始められます。ベランダや室内でも可能です。
- 無農薬: 化学肥料や農薬を使わずに新鮮な野菜を育てることができ、健康に良いです。
- 趣味と教育: 子どもや大人にとっても、魚や植物の成長を観察することで、自然の循環や生態系について学べる素晴らしい教育機会となります。
楽しみ方:
- 観察と記録: 毎日の成長や変化を観察し、写真やメモで記録することは、楽しさを倍増させます。
- 収穫の喜び: 自分で育てた新鮮な野菜を収穫し、料理に使う喜びは格別です。
- デザインと工夫: システムのレイアウトや設置場所を工夫することで、インテリアとしても楽しむことができます。
長期的な運用のためのアドバイス
1. 定期的なメンテナンス:
- フィルターの清掃や水質チェックなど、定期的なメンテナンスを怠らないようにしましょう。これにより、システムの安定性が保たれます。
2. 継続的な学び:
- 新しい技術や方法について学び続けることで、アクアポニックスの効果を最大限に引き出せます。コミュニティやオンラインフォーラムを活用して、他の愛好者との情報交換も有益です。
3. 拡張と改善:
- システムが安定してきたら、新しい植物や魚を導入することを検討してみましょう。また、追加の機器や改良を加えることで、効率や美観を向上させることができます。
4. トラブルシューティングの準備:
- 問題が発生した際に迅速に対応できるよう、予備の材料や道具を常備しておくと便利です。また、よくある問題とその対策をあらかじめ学んでおくことも重要です。
アクアポニックスは、手軽に始められるだけでなく、持続可能で魅力的な農業の一形態です。ぜひ、このガイドを参考に、100円均一ショップで必要な材料を揃え、楽しいアクアポニックスライフを始めてください。
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