メダカの屋外飼育において雨対策をしていないと容器から水が溢れて大切なメダカが流されてしまう事態が発生してしまいます。
ゲリラ豪雨や台風など、大雨が降ることはよくあります。
特に針子は泳ぐ力がまだ弱いので流される確率は上がります。流されたメダカは為す術もありません。
タオルや硬質スポンジによる毛細管現象を利用したオーバーフロー対策もありますが、私は正直見た目が嫌いです…。
なぜなら苔も生えてきて、汚れてくると段々と排水されなくなるんですよね。
ですが、塩ビパイプを使用したオーバーフロー水槽にすれば、布やスポンジの交換の必要もなく、見た目もカッコよく、メダカが流されてしまう事態を解決できます!
また、水換えが水を注ぐだけでできて、その排水された水をバケツで受けて、放置し、グリーンウォーターにしてミジンコの育成に使ったり、アクアポニックスに派生させたりと色々な用途が広がるのもオススメ理由です!
この記事を見てもらえれば、自作が苦手な方でも簡単に作成できると思います。
- オーバーフロー対策の種類
- どのオーバーフロー対策を選ぶのがいいか
- 自作オーバーフロー水槽の作り方
- オーバーフロー水槽の注意点
作成方法以外にも、これらがわかると思います。
ぜひこの記事を参考にDIYしてみてください!
それでは解説していきます。
オーバーフロー対策の種類
雨によるオーバーフロー対策にはいくつかやり方があり、
- 軍手
- 雑巾やタオル
- ウールマット
- スポンジ
- 吸水クロス
- 塩ビ管
これらの種類があり、布やスポンジなどは毛細管現象で水を吸水し、サイフォンの原理で容器外に排水するやり方です。
塩ビ管を使うやり方は、容器に塩ビ管を通す穴を開けて、塩ビ管を通し、塩ビ管まで水が到達すると水が外に流れ、排水されます。
主にオーバーフロー対策として使われているのはこの2種類が多いと思います。
どのオーバーフロー対策を選ぶのがいいか
それぞれのメリット・デメリットを解説します。
容器に穴を開ける必要がないので、容器に穴を開けたくない人は自然とこちらのやり方を選ぶ方が多いと思います。
大雨の場合、排水力が弱いので、排水が間に合わず水が溢れてしまうことがあり、使用していくと汚れや苔がついてきて排水力が弱くなることもあります。
その場合、メダカは溢れた水により流されてしまう危険があります。
排水さえ間に合えば、針子も流されることなく飼育できます。
布やスポンジは安価で購入できるメリットがあり、コストパフォーマンスに優れ、取り付けも洗濯バサミやクリップで止めるだけなので手間が少ないです。
容器に穴を開ける必要がありますが、一度開けてしまえば容器が壊れるまで使えるうえに、排水量は布、スポンジと比べると段違いです。
大雨でも排水力が強く、塩ビ管にゴミがつまらなければ、排水が間に合わないことはないと思います。
塩ビ管自体は安価で購入できますが、取り付け加工するための工具でお金がかかる点には注意です。元々持っている方なら安価に制作できます。
加工は簡単ですが、布やスポンジと比べてしまうと、一手間かかってしまいます。
針子の容器でオーバーフロー加工された容器を使うと、針子が流される危険があります。
個人的には塩ビ管でのオーバーフロー対策がいいと思います。
軍手等で対策することもありますが、軍手などにつくコケが汚らしいのが嫌なのと、排水が間に合わなかった場合、成魚のメダカでも流されてしまう危険があるからです。
塩ビ管のオーバーフローのほうが見た目も性能もいいので、加工の一手間は気にしていません。一度作れば容器が割れるまでは使えます。
また塩ビ管を使用したオーバーフローの場合、外部フィルターに繋いだりして水槽同士を連結させて、多段式オーバーフロー水槽にしたり、オーバーフローを利用したアクアポニックスに移行したりもできます。
軍手、布、スポンジは汚れてしまっている際に交換が必要なので、交換を忘れた時に大雨が降ると大惨事になるので、自分は塩ビ管派です。
注ぐだけで水換えも簡単にできるのも塩ビ管でのオーバーフローの強みです
塩ビ管を使ったオーバーフロー対策では、水換えが楽にできる利点があります。
通常はプロホースや、ポンプクリーナーなどで毎回、水を排水しないといけないのですが、水を注ぐだけで、余剰分の水は排水されるので、浄水器をつないだホースなら、水槽に突っ込んで水を出すだけで水換えができるのは、容器をたくさん使うメダカ飼育では非常に楽です。
もっと簡単なやり方として、容器に穴を開けて、網などで穴を塞ぐだけのオーバーフロー対策もあります。
やり方としては穴を開けて網で塞ぐだけで簡単なのですが、メダカの飼育水を別のことに利用するのが困難です。
自分の場合は、水換え時のグリーンウォーター化した水を、バケツで受けて、ミジンコのいる容器にその水を入れたりもしています。
メダカの飼育水は植物や微生物には栄養満点の餌なので、捨てるのは勿体ないです。
アクアリウム専門店や、メダカ専門店でもオーバーフロー対策された商品も置いてあることもありますが、割高なので、多くオーバーフロー対策容器が欲しい場合は、自作のほうが安く仕上がったりします。
NVBOXのオーバーフロー対策済み容器は大体2300円〜2500円くらいで売られていることが多いです。
自作であれば容器は別で、購入場所や、その時の相場により異なりますが、400円前後で作れると思います。
自作は基本的に1個だけ作るとなると割高なのですが、数を作ると安くなる傾向があると思います。
メダカを飼育していくと色々な品種を飼育したくなり、容器がどんどん増えます。
自作する数が増えるほど、お得になるのが自作のメリットだと思います。
それは使う道具が変わらなかったり、他の自作にも道具が使える場合です。
このような場合は道具代が1つで済む分安くできるわけです。
自作オーバーフロー水槽の作り方
用意する物(自分は13のサイズで作っています。サイズはお好みです)
VP13 バルブソケット
VP13 給水栓エルボ
ゴムパッキン
塩ビ管の内径が太いほうが排水量が多いです。後々に水槽を連結したりする予定がある場合は、このサイズは統一しておいたほうがいいと思います。
ゴムパッキンは内径22ミリでピッタリです。
平ゴムパッキンのほうが割高なことが多いので、Oリングでも水は止められますが、平パッキンのほうが取り付け後のグラつきなどがないなどの安定感が違いますので平パッキンで作成することをお勧めします。
インパクトドライバー
正直、穴が開けばいいので、素材によっては、半田ゴテで溶かして開けたり、カッターなどで開けても大丈夫です。
ステップドリル
22mmの穴を開けられれば何でもいいと思います。
ホールソーでも穴を開けることができますが、22mmと決まったサイズを購入する必要があるので、小さいサイズや大きいサイズの穴を開けたい時は、また違う径のホールソーを購入しないといけないです。
ですが22mmのサイズでしか穴を開けないのであれば、オーバーフローの穴の径は何だったかな?と悩む必要がなくなるのは大きいと思います。
ステップドリルならサイズの中に22mmがあれば、小さいサイズや大きいサイズも開けられるので、用途が広くなるのでおすすめですよ!
容器(写真はトロファスト)
お好きな容器でいいのですが、透明容器は割れやすいです。
又、使用していると紫外線に弱いので、せっかく作っても長持ちしないという欠点もあります。
どうしても透明容器がいいのであれば、慎重に開ければ大丈夫ですが、せっかく作ったオーバーフロー水槽が割れたりなど、後々のことを考えるとオススメしません。
トロファストはメダカ飼育愛好家の方も多く使用している容器で、個人的には中間色であるターコイズカラーがオススメです!
中間色の容器はラメ系のメダカと相性がいいです。
他には白とグレーもあるのですが、白容器はちょっと透けているので、メダカの飼育容器として考えると、紫外線に弱い可能性があるので、劣化して割れてしまうことがあるかもしれません。
黒容器は売られてないんですよね…生産終了との噂も聞いたことがあります。
白っぽい容器であればグレーをオススメします。グレーと言っても、明るめのグレーなのです。
もし他の容器で作る場合は容器の厚みを気にしたほうがいいと思います。
安い物だとペラペラなので、割れる可能性が高くなります。
準備ができたら作っていきます
穴あけ位置を決めていきます。
開ける位置は決まっていませんが、自分は下の角から65mm下がったところが芯にして開けました。
メダカは意外とジャンプするので、水があふれる位置から30mm〜60mm下げた位置がいいと思います。
位置を決めたら穴開けしていきます。
穴開けはゆっくり開けるようにしてください。力任せにやると割れます。
切り替え可能なインパクトドライバーの場合、インパクトではなくドリルのモードで開けたほうがいいです。衝撃を与えないように注意してください。
22mmまであるステップドリルなら貫通するまで開けます。
ホールソーなら22mmの穴が開く物を使用してください。
22mmの穴が開けば大丈夫です。
穴が開いたら、バリ取りをします。
バリを取らないと水漏れの原因にもなります。
VP13バルブソケットを差し込みます。
こちら側はゴムパッキンは不要だと思ってつけていませんが、心配ならつけても大丈夫です。
自分は今の所、水漏れはないです。
こちらは裏側のゴムパッキンを付ける前。
ゴムパッキン装着。
平パッキンのほうが安定感がありいいのですが、平パッキンの場合は内径22サイズがお店にない場合があり、内径サイズが極端に違うと、はめるのが大変です。
丸いゴムパッキンなら多少のサイズが小さくても大丈夫ですが、大きすぎるのは水漏れ原因になります。
又、Oリングは値段も平パッキンと比べると安いというメリットもあります。
自分は20mmサイズを使用。
VP13給水栓エルボを取り付けます。
ねじ込む時は締めすぎに注意してください。
締めすぎると割れてしまうことがあります。
ゴムパッキンが、少し潰れる程度で水漏れはしませんでした。もし漏れてしまう場合は少しづつ締め込んでいくか、シールテープなどを使うなどで対処します。
取り付け後です。
取り付けただけだと、メダカが吸い込まれてしまうので、塩ビ管に網などを被せ、メダカが流れないようにします。
自分は鉢底ネットを丸めて突っ込んでます。
虫除けネットなどでも大丈夫ですが、排水量はこちらのほうが上です。
掃除も取り外して洗いやすいのもポイントです。
虫除けネットだと、インシュロック等で止めるので、ちょっと面倒かな?と思ってます。
ポイントは容器のフチより鉢底ネットが超えるようにすると安心です。
なぜかと言うと、排水が間に合わない時に、鉢底ネットより上に水がくることがあり、そうなると上にはネットがないので、メダカが流されてしまう事故が起きてしまいます。
水漏れチェックをして完成です。
水漏れしてしまう時は、
- シールテープをネジ部に巻いてみる
- ゴムパッキンを変えてみる
- 最終手段はコーキング剤でシーリング
オーバーフロー水槽の注意点
塩ビ管でオーバーフロー対策していても、放置してしまうとゴミが詰まって流れなくなることがあるので注意してください。
水が流れなくて溢れてしまうのはもちろんですが、メダカだけでなく魚は雨が降ると活性が上がることがあります。釣りをしていて雨が降ると魚がジャンプしたりすることが多くなることがあるのです。水が溢れなくても水位が上がることで、メダカがジャンプして容器外に出てしまうこともあるので、排水口のゴミチェックは定期的に行い、掃除を行うことが大切です。
小さい針子、稚魚だと、アミを通過して流れてしまうことがあるので、アミの目を細かい物に変えるなどの対策をしてください。その場合、ゴミが詰まりやすくなるので注意が必要です。
自分は針子などの容器の場合は、ろ過マットなどでオーバーフロー対策をするようにしていますが、容器の数の問題で、オーバーフロー水槽で針子飼育をすることもあります。その場合、排水口に水の通りがいいスポンジで塞ぎ飼育をしていますが、なるべくオーバーフローさせないような飼育が好ましいと思います。
最後に
こちらは自分の塩ビ管オーバーフローの使用環境ですが、上段に水が入ると、下段に流れ、下段が溢れると排水されるようにしています。
こうしている理由ですが、上段に水を入れるだけで、水換えができてしまう便利さにあります。
もちろん今までは一つ一つオーバーフローさせて水換えをしていましたが、作業時間は2分の1になりました!
毛細管現象とは比べ物にならないほどの排水力があるのと、見た目も凝っている感もありカッコいいです。
雨での対策としても有効で、水換えも楽にできますが、稚魚や針子では排水に流されない対策は必ず行ってください。
こちらの記事を参考にぜひ挑戦してみてください。DIY初心者でも簡単に作成できますよ。
コメント
コメント一覧 (2件)
ちょっとしたアイデアで分かりやすく参考になりました。
コメントありがとうございます!お役に立てて嬉しいです。とても励みになります!